小学校へ入学したら保護者の皆様の間でいずれ話題にあがってくるのが『子どものスマホ問題』です。
お子様にスマートフォンを持たせるかどうかというのは家庭のもんだいではありますが、便利さの裏には様々なリスクもはらんでいることを忘れてはいけません。
今回の記事では、私がこれまでに経験したり、そして同僚、友人教師などから聞いたスマホに関する話を書きたいと思います。スマホは一度持たせるともう後戻りはできません。
今回書く話を”リスクだな”と感じた方はぜひお子様と約束事を決めてスマホを持たせることをお勧めします。
目次
小学生のスマホ所持!便利さの裏のリスク
皆様はお子様が小学生になったらいつかスマホを持たせようと思いますか?
私の学校では携帯電話を学校へ持ってくることは認められています。その大きな理由は、在籍児童の大半が遠方から通学しているためであり、安全のためには必要であるという判断です。
もちろん学校に持ってくることは許可されていても、それを学校にいる最中の使用は認められていません。授業の中で使うことはありませんのでそれは当然といえます。
実際に子どもたちが持っている携帯電話を見てみると、いわゆるキッズ携帯的なものが多く、大人が使っているiphoneやアンドロイド端末のような”学校では”ほぼいません。
今回私が警鐘を鳴らしたいのは、そのようなキッズ携帯のことではなく”スマートフォン”の所持についてなのです。
大人が想定している以上に子どもたちの機器操作能力、情報収集能力は優れています。『うちの子に限ってそんなことは…』と思っていたとしてもリスクは知っておきましょう。
では実際にあったことを少し紹介していきます。これらは学校外での話です!スマホだけではなくタブレットも同様です。
youtube・NETFLIX等の動画依存
読者の皆様もYOUTUBEとか動画見放題コンテンツ(アマゾンプライムやネットフリックス等)を見たりする方も多いと思います。私もよく利用しますが、やっぱり面白いですよね!
これは子どもにとっても最高に面白いのです。しかも、ネットはその利用者の行動分析もなされているので、1つの動画を見終えると次々おすすめ動画を提示してきます。1度見始めたら『あと1話だけ』などとどんどん進めていってしまうこともしばしば。
親御さんの前でしか端末を利用できない子たちはおそらく大丈夫ですが、個人に管理をさせている家庭は要注意です。特に一人部屋を持っている子は、かなりの確率で夜に見てます!
学校では子どもたちは元気に過ごしていますが、寝不足の子は見ればわかります。寝不足の場合、あらゆることの作業効率が落ちてしまうので、成績もやはり伸び悩んでいる子も多いですね。
youtubeの閲覧制限をかける方法については、筆者の別ブログにて解説していますので下記ご参考にしてください。
学級懇談でこの話をしましたが、多くのお母さま方は閲覧制限のかけ方などをご存じありませんでした。
動画の閲覧制限のかけ方に関する記事
スマホゲーム依存
読者の皆様でスマホゲームをしている方はいますか?もしもしたことがなかったら、想像すらできないことが今起きているかもしれません。
私は小さいころから勉強や習い事の傍らよくゲームをして遊んでいました。私は30代の人間ですが、私の世代がやっていたゲームと今のゲームは大きく違います。
その大きな違いは『インターネット』なのです。昔のゲームは、自分で自分のデータをロードして、やりたいところまで進めて、またデータを保存。そして、また次はそこから続きをする!というスタイルでした。もちろん今のゲームも基本はその形式なのですが、ネット時代になり画面の中では世界のどこかの誰かとプレイできるようになったのです。
小学生の中でもオンライン上で世界のプレイヤーとゲームをしている子たちもいるかもしれませんが、実際はもう少し狭い世界でやっている子たちの方が多いと思われます。
ここでいう狭い世界というのは、小学校や塾の友達の世界です。
塾が終わって帰宅して、ご飯を食べてお風呂に入って、宿題をして、眠る!と思いきやそこからスマホでオンラインゲームをしだす子たちがやっぱりいます。
ゲームをするタイミングは、子どもたちの中のグループラインで呼びかけられ、おおよそ同じ時間にゲームを起動し、オンライン上で再会し、ゲームをします。
それを全員が『15分1本勝負ね!』などの取り決めがあればいいですが、実際はそんなことはありません。これも寝不足の原因です。
最悪のケース(いじめにつながることも)
子どもたちも夜中にゲームをするわけですから、やはり眠くなりますよね。そこで眠いからゲームを離脱したいと申し出て抜けたとします。最悪の場合、こんなことが想定されます。
というやり取りがあったりして、グループからはみ出されることがあるのです。
そうするとどうなるのか?このはみ出された子は、はみ出されたくないので、眠い目をこすりながらゲームを続けます。
そして、それが親にばれて怒られて没収されます。でもゲームに参加しないとはみ出されます。だから、意地でも探し出します。探し出したら親にバレるとまずいので、布団の中にもぐったりしてこっそりやり続けます。
待っているのは、寝不足、成績下降、親子喧嘩の負のスパイラルです。
ゲームではないですが、ラインのライングループでの会話も同様のことが起こりえます。
アダルトコンテンツの視聴(男子が大半)
これについては『うちの子に限って』が結構あるかもしれませんが、リスクは想定しておいてください。心身の成長に伴って性的なことへの興味が出てくることは自然なことです。
ただ、ネットの利用によってその年代には決してふさわしくない画像や動画をいとも簡単に見ることができてしまうのです。
そういうコンテンツに出会うきっかけとしては、友人から『ネットでこの言葉を検索してみて!』ということから始まります。
友人同士の会話の中での冗談めいた卑猥な話から発展する会話だとは思いますが、これについては止めるのはほぼ不可能です。(友人同士の会話なので)
ここでその言葉を検索にかけなければいいのですが、ちょっとした興味から検索してしまう子たちも少なからずいます。
アダルトコンテンツはもちろん18歳未満は禁止ですが、年齢をわざわざ確認するサイトの方が少ないかもしれません。しかも恐ろしいのことに、サイトによっては違法画像や違法動画(モザイク処理がされていないもの等)も簡単に閲覧することができてしまうのです。
この辺りも、今の保護者の皆様の小学生時代とは大きく違うところです。この記事を読んで気になる方は、ぜひお子様の端末のネット検索履歴を確認してみて下さい。
ネットで買い物ができてしまう端末
これは保護者の方のお古のスマホやタブレットを渡す場合に気をつけてください。
この原因は、保護者の皆様が過去に使っていた端末で楽天やアマゾンのサイトにクレジットカード情報を登録している場合に起こる可能性があります。
これは実際に私が子どもとの会話の中で発見しました。きっかけはこのようなものです。
このGTAというのは、18歳以上用のゲームで殺し合いをするようなゲームなのですが、さすがに小学生では店頭で買うことはできません。
ですが、親のスマホやタブレットでクレジットカード情報が記憶されている端末の場合は年齢制限もクリアして購入できてしまいます。
この子は、親に黙って買ったのか、親に言って買っていいと許可を得て買ったのかはわかりませんが、そういったカード情報等が残っているとこのような利用の仕方もできてしまうので、しっかりと管理をしておいてください。
子どもにご自身のスマホやタブレットを渡す際には、不要なアプリ等は消して、できることなら端末を初期化して渡す方が良いと思います。
TikTokなどで簡単に情報を晒してしまう件(女子に多い)
これは小学生でも中学生でも高校生でも安易にやり過ぎだと思っています。
今やYOUTUBEやTikTokなどが当たり前になりそれで莫大な富を気づいている人たちも出てきていますが、ネットに出した顔や情報はまず消すことは不可能です。
そしてそのアップロードをした動画や画像は、自分の想像もしていなかった形で晒されたりすることもあります。例えば、
YOUTUBEでTikTokと検索すると『TikTokでかわいい子を集めてみた』みたいな動画もあります。これは、TikTok利用者がかわいいと思った子の動画をダウンロードしてそれをいくつか組み合わせて一つの動画にしてYOUTUBEにアップし、再生回数を稼いで、広告収入を得るために作成されたものです。
この時点で、小中高生が友人内で閲覧するためだけにあげたオリジナルのたった1つだった動画が2つ目として複製されて世に出たことになります。
そして、このかわいい子を集めてみた動画を見て、さらに選りすぐりのかわいい子を集めた動画を作ろうとした人がいたとしたら倍々に増えていくことになりますよね。
もしかたしたら、それをきっかけに仕事に結びついていったりする可能性もあるかもしれませんが、世間にさらされることで悪い大人たちから性の対象として見られ、ダイレクトメッセージが送られてきたり、動画の背景から家の場所を特定されたりするリスクもあります。
子どもたちが利用しているアプリなども確認しておくと良いと思います。
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教師向けに書かれていますが、保護者の方も読んでおいてもよいかもです!
私のスマホ・タブレット所持に関する意見
子どもたちは、成長していくにつれて欲しかったものもどんどん変化していきます。特にスマホについては上の兄姉が所持している場合や同級生の友人が所持しだすと急激に欲しがり始めます。
スマホやタブレットはきちんと使えば非常に便利なものですし、一度持つと必要不可欠なものになることでしょう。しかしそれは使い方やリスクを理解したうえでの話です。
保護者の皆様に注意しておいてもらいたいことは、スマホを一度渡すとキッズ携帯などには戻れないということです。子どもからすると、便利で面白い道具を取り上げられますし、友達の前でも恥ずかしい気持ちになってしまいます。
大切なことは、それを与える保護者としてインターネットリスクや家庭内での約束事をしっかりと決めておくことだと思います。
子どもにスマホやタブレットを与えるのは学校ではありません。ご家庭なのです。
もちろん教科書にもメディアリテラシーやインターネットリスクについての記述はありますし学校で指導もあります。ただ、刻々と変わっていくインターネット情勢と子どもたちの使用スキル。正直言うと、教科書レベルのことなど現実論からはかけ離れていると思っています。
だからこそ、ご家庭でリアルな話をしていただきたいのです。ご自身が体験されたことでもいいと思いますし、この記事に書いているような例でもいいと思います。与えてしまう前にきちんとお話をしてください。
私は、中高学年を担任する際には、子どもたちにこれまで書いていたようなことについて話し、併せて学級懇談等で保護者の皆様にもお話しています。怖がらせるつもりはありませんが、それだけのリスクがあることは知っておくべきなのです。
読者の方で、お子様にインターネットリスクについて話をできないようであれば、お子様に持たせるべきではないようにすら思います。子どもたちは生活の中で様々な情報にさらされていますので、『うちの子に限って』は通用しない可能性があるのです。
スマホやタブレットは便利です!しっかり子どもたちと話をして持たせるなら持たせてあげましょう。
ちなみにスマホを持たせている場合、自由に使わせているご家庭よりも、親御さんが管理しているご家庭の子の方が成績は良い傾向があります。
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