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【教師という接客業】齋藤浩氏の”教師という接客業”を現役の小学校教師が読んだ感想

教師という接客業!凄まじいタイトルですよね!

みなさんはこの本をご存知ですか?私の職場には、指導に関する本や学習指導要領、各種教科書はもちろんですが、各教員が読み終えた本などもストックされる教員用の図書館があります。その時にこの本が目に入ってきたんです!

発売日は2020年7月なので比較的新しい本なのですが、タイトルで思わず手に取って読み始めてしまいました。私は現役の小学校教員ですが、この『教師という接客業』を読んでみて思ったことなどを今回は書こうと思います。

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教師という接客業の目次

今回はこの本のネタバレをすることが目的ではありませんが、ネット上にも公開されているこの本の目次から見ていきましょう。

教師という接客業 目次

はじめに 目指すは高い顧客満足度?

第1章 保護者が期待するサービス満点教師
1 「とにかく楽しく」という要望
2 あくまでもソフト路線
3 「ウチの子を一番で」という要望

第2章 消えた熱血教師
1 リスキーな熱血指導
2 量産されるフツーの先生

第3章 接客業化がもたらす弊害
1 上手くいっているアピール
2見えざる苦情への準備

第4章 学校にも押し寄せる変化の波
1 学校に期待しない風潮の蔓延

第5章 脱接客業化宣言
1 接客業との決別
2 新たに求められる教師像

終わりに

何やら面白そうな見出しが並んでいますよね!ちなみにこの本は214ページありますが、ゆっくり読んでも1時間半くらいあれば余裕で読めます☆

 

実際に読んでみた感想と振り返り

読んでみた感想ですが、まず言えるのが『この本を読んだからといって教師の働き方が何か改善されることはない』ということです笑

ただこの本・・・読んでて結構笑ってしまいました!なぜかというと・・・

かなりリアルだからです笑

おそらく教育現場で働いている方が読まれると『あるある!』と頷ける内容が事例として挙げられていてかなり共感できます。現場の方が書いているなという印象ですね☆

この本を読んでいて自分自身も改めて考えさせられたことがあります。それは”自分は一体どこを向いて仕事をしているのだろう”ということです。

私のブログは、教員の方から教員志望の方や学生の方々、またお子様をお持ちの方にも読んでいただいています。

教員やそれを目指す方々に『あなたはどこを向いて仕事をしていますか?』と質問したとするならば、おそらく大半の方が『それは目の前にいる子どもたちです!』と答えられることでしょう。私自身も間違いなくそう答えると思います。

しかしながら、実際に働いている日々を思い返してみると、果てしてそうなのだろうか?とも感じてしまいました。

もちろん、私自身も子どもたちのためにと日々奮闘していますし、ほとんどの先生方もそうでしょう。でも実際のところは、かなり色々な場面で子どもたちの親御さんである保護者の皆様に気を使いまくってやっているような気もします

下手をすると子どもたち以上にそちらに目を向けてしまっているときもあるかもしれません。大切な子どもたちをお預かりしているので当然ではあるのですが。ここで少し私の実例を挙げてみると!

私が気を使っていることの一例

  • 学級で撮影する写
  • 何かの代表決め
  • 掲示物の配
  • 成績の根拠
  • 運動会のダンス 

とりあえず5つだけ挙げてみましたが、然ながら友人関係、けがの関係、学習の理解状況の把握、アレルギー関係、保護者同士の関係、クラス分けなどなど、様々なことを多角的に考えながら勤務しているのでそのあたりは省略します。上の5つについて振り返ってみます。

学級で撮る写真

私は学級通信を出しているので、そこには子どもたちの写真を載せることもあります。当然ながら勝手に掲載できませんので、1学期初頭にクラスの保護者の方全員に”掲載許可願い”を出して許可をいただいています。幸いにも今までに不可の返事をいただいたことはありません。そして、掲載する写真についても集合写真以外のものについては誰が何回掲載されたかなどもチェックをしています。

また、集合写真などの大勢で撮る写真の場合、誰か一人でも目を閉じていたら使えませんし、前の子のポーズが被ったりしてもやはりボツです。大体10枚くらいとって確実に全員が映っているものを掲載するようにしています。

何かの代表決め

劇の主役選び、運動会のリレー選手えらび・・・怖いです笑。担任として”なぜその子が選ばれたのか”を根拠を持って言えるようにしておく必要があります。私は特に何かを言われたことがありませんが、本書でも語られている通り、子どもたちの晴れ舞台に関わることについては保護者の方から物言いも入ることもあるようです。

私の場合、劇の配役については全ての役が意味のあるものであることを伝えたうえで、第四希望まで子どもたちに決めておいてもらって、選ばれた役は責任を持って演じてもらう約束をしてじゃんけんで決めています。オーディションをする先生もいますが、私は仮に演技が苦手であっても本人には頑張ってもらいたいので特にオーディションは行っていません。

リレー選手については、当日のリレーのコースでタイムを計って代表者を決めています。タイムという絶対的なものがあると子どもたちも納得しますしね!万が一タイム計測が正確なのか!?と物言いが入ったとしたら、20年ほどやっていた水泳人生で何万回とストップウォッチを押してきたという経験で対抗するしかないですね笑

掲示物の配列

保護者の方々は子どもたちの作品などの掲示物の位置を気にされますか?私の学校では、参観日ごとに貼り方を変えています。掲示する際に同じ子が端っこや真ん中にならないように、参観日ごとに写真を撮って確実に管理をしています。初任の時に先輩に教えられて『まぁ確かにそうだな』と思って続けています!

通知表の成績の根拠

これは怖いやつですよね笑。点数だけで機械的につけるだけだったらそれが根拠になるのでいいのですが、特に行動面の成績を付けるのが難しいです。

行動面の成績は絶対的な数値で評価ができるわけではありません。普段接している中での様子や友達との様子など、担任も色々な視点で見ています。ですからそれ自体が根拠なのです。でもそんな根拠はもらう側からするとわからないですよね。万が一突っ込まれたら、きっちりと説明できるようにしておかなければなりません。

私は過去に一度だけ突っ込まれたことがありますが、しっかりとお話をさせていただいて納得いただきました

体育大会のダンス

体育大会のダンスは踊りを考えるだけでも一苦労なんですが、さらに大変なのが”隊形移動”です。運動会で子どもたちのダンスを見ていたら、結構隊形移動をしていると思いませんか?

隊形移動をしている理由としては、もちろん”ダンス自体の見栄えを華やかにする”ということもあります。その他の理由として”保護者の方の前を子どもたちが通るように”というものもあります。輪になって回転するような動きなんかも、上の2つの理由を網羅できますよね☆

私自身がダンスを担当するときは、隊形図に学年全員分の番号を振って、1隊形1枚のシートを作ってダンス全体の隊形図を作成しています。そして、そのやっとできたダンスと隊形を子どもたちに教えていくという流れになっていきます。体育大会は、無数のデジカメやスマホカメラが狙っているので本当に気を使いますね!

ダンスとは関係ありませんが、徒競走の判定もミスが絶対にできないのでドキドキです笑

上の5つは私の個人的なことから書きましたが、本書には様々な事例が取り上げられています。

そういった現場での事例をことを知る上で本書は参考になるかなと思いました☆

 

この本を読んでみるとよい人は?

この本をお勧めしたいのは、教員を志望している方と保護者の皆様かなと思います。

教員志望の方

先生を目指している方々は、やはり熱い夢や希望を持って先生になられるわけですよね☆それはとても素晴らしいことだと思います!

私自身も一般企業から転職してよかったなと思いますし”仕事で感動ができる”という中々希少な職種だなと感じています

しかし!何の仕事でもそうですが、そんなキラキラしている毎日ばかりではありません。楽しいことだけでなく、苦しいことも、つらいことも、めちゃくちゃあります!

教員になるとおそらく色々なことに直面していくことになると思います。そういう局面を想定していて食らうのと、いきなり食らうのでは食らい方も変わってきます

怖がらせるつもりはありませんが、現実問題としては持っておいた方が良いと思いますね☆

保護者の皆様

『えぇこんな要求する保護者なんているの!?』というくらいの感覚で読んでもらえればいいかなと思います!教員からすると結構なあるある事例が多いんですけどね笑

保護者の方々と話していると・・・

お母さん
先生、こんなこと相談をしている私ってモンスターですか?

とたまに冗談で聞いてこられる方もいらっしゃいますが、安心してください!そのような発想をしてくれる方はまずモンスターではないと思います

 

本日のまとめとして

ネタバレをしないようにと書いていたら目次以外に本書にはほとんど触れていませんでした笑。気になる方はぜひご一読を☆

私自身ももう10年くらい教員をやっていますが、最近はとにかく”効果”を求められる場面が多くなったように感じます。特に私の場合は私立ですので学費も高額、”費用対効果”もさらに求められますよね。

日々一生懸命子どもたちに向き合いつつも、様々な要望が各所から飛び込んでくることもしばしば!

全員を満足させられることはおそらく不可能ですが、頑張る方向を間違わなければその頑張りが相手に伝わる可能性も少しは高くなります。

また、やはり”人”を相手にする仕事ですから伝わるものは伝わります☆日々精進ですね!

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