みなさんは、学校の先生の仕事についてどのようなイメージをお持ちですか?最近ネットニュースで教員の多忙化についてよく取り上げられていますよね。私はよくそういったネットニュースへの書き込みも読むのですが、『先生たちの負担を軽減してあげるべき』と擁護している書き込みもあれば、『教員ばっかり取り上げられるが会社員はもっと苦しんでいるのに取り上げられないのはおかしい!』などの批判的な書き込みも多く見られます。
私は現在小学校教員をしていますが、もともとは会社員でしたので、一応両方の世界に首を突っ込んではいます。そのような立場から今回は、小学校教員(私の場合)の仕事を、会社員時代と比較をしながら書いていきたいと思います。筆者の紹介は下記にて!
ちなみに、教員の仕事がブラックかホワイトかと聞かれたら、やりがいや喜び、楽しさもあるのでブラックとは言いません。ですが、間違いなくホワイトではないです!!と先に述べておきます笑
目次
教員の仕事の1日はこんな感じに大別できる
皆様の教師の仕事のイメージはわかりかねますが、我々教員の仕事はいくつかに大別することができます。
朝から夕方まで
朝から夕方までは子どもたちがいますので、ここでやる仕事はいわゆる『先生』の仕事です。連絡帳や宿題のチェック、授業、子どもの怪我やケンカの対応、給食や掃除などなど。この朝から夕方までの子どもたちにかかわる仕事をし終えると、いわゆる定時と言われる労働時間をまず完走します笑
夕方から夜
子どもたちが帰ったら、必要に応じて保護者への電話、保護者からの電話対応、授業で回収したプリントやテストの丸つけやチェック、会議、外部の業者との打ち合わせ、翌日の授業準備などをします。これらは日中はほぼできませんので、子どもたちが帰ってから自分の仕事という感じです。17時以降はこんな流れで進みます!
1日の内、朝から夕方までの子どもたちがいる時間の仕事がもちろんメインになります。それにはやりがいもありますし楽しい仕事です☆しかし、それ以外にもめっちゃあるのです仕事が・・・・。一例を下に書いていきます。
学校内の部署『校務分掌』と『教科担当』
子どもたちと触れ合って、勉強を教えて、彼らが成長していって・・・☆という日々が毎日だったら本当に最高の日々だろうなと思います。ですがそんなわけはなく、見出しに書いた通り我々には”子どもたちに勉強を教える先生”としての仕事以外に、企業でいう部署的な”校務分掌と教科担当”という仕事が存在するのです。
校務分掌とは?
簡単に言うと、会社では『マーケティング部』『経理部』『製造部』『広報部』『法務部』みたいな部署がありますよね?それが学校内にある感じです。例えば『体育部』『生活指導部』『広報部』『教務部』『国際部』『総務部』『ICT部』みたいなものです。各部署の仕事は細かくは書けませんが、体育部では体育大会や日々の運動面の企画、遊具や体育施設面の維持管理等に取り組んだりします。私の学校はいわゆるお受験をしないと入学できませんので、入試に関するパンフレットやポスター制作、幼児塾などでのプレゼンなどをこなす部署などもあります。会社員の場合は、基本的にはその部署1つに所属をして仕事をしていきますよね?教員は、いわゆる先生の仕事+この校務分掌が3~4つ同時並行する感じになるので、常に何かのプロジェクトが稼働している状態が一年中といった状況です笑
ちなみに私は、体育とICTと入試広報を担当していますが、体育とICTは平日の仕事ですが、入試広報については平日に業者と打ち合わせをしてパンフレットやポスターを作成したり、土日など休日には百貨店やイベント会場でお受験をされるご家庭へのプレゼンや面談などを終日やったりしています!(学校案内などは私たちが作っているのです笑)会社員で例えるなら、営業部とと広報部と企画部に属して、それぞれを全部100%でやる感じです笑
教科担当とは?
上に書いた校務分掌3~4個にさらにプラスして、教科担当というのがあります。小学校の場合は、担任として教える教科が多岐に渡りますよね。ですから、各学年ごとに教科の担当者が決まっていて、年間のカリキュラムや授業進行の調整、学校方針に対する教科として立ち位置の確立など、ここでもまた担当が割り振られるのです。教科担当も学校によって違うとは思いますが、私の学校では1人3教科~4教科は担当があてられています笑
ちなみに私は今年、算数、社会、体育、情報の教科担当をしています。公立の先生をしている友人に聞くと、もちろん教科担当はあって、さらにかなり若手でもその教科の主任などを何もわかっていない状況でも任されたりするらしく大変だと言っていました。
これらのことから教員の仕事の中身としては下記のようにまとめることができます。
教員の仕事
①いわゆる”先生”としての仕事
(授業や生活指導、保護者対応等)
②校務分掌の仕事
(各部署での行事企画や行事の遂行等)
③教科担当としての仕事
(校内での教科運営等)
小学校教員である”私”の1日の流れ
ここに書くことはあくまでも私の場合です。都道府県が違う先生方、公立の先生方とは同じところもあったり違うところもあるかもしれませんが、読者の方々は教員以外の方が大半かと思いますので、『先生ってこんな一日を過ごしているのか!』と少しでも知っていただければ幸いです。
朝の時間
6:50 出勤!校内と業者と保護者からのメールチェックと教室清掃
7:30 子どもが登校してくる!職員朝礼までに猛スピードで連絡帳と宿題をチェック!
8:30 朝礼や朝のホームルーム!配布物等を猛スピードで配る!
昼までの時間
・授業最大4時間(専門の先生が担当の授業もあるので毎日4時間はないですが、空いている時間で朝の時点で見終わっていない提出物等のチェックをする)
・休み時間は子どもと遊ぶ・もめごと対応・おしゃべり等(いわゆる休憩ではない笑)
昼の時間
・給食の管理(子どもたちと共に準備し食べる。アレルギー対応食の確認は絶対!)
・清掃(子どもたちと共に清掃)
・午後の学習(お昼にも勉強がある!)
午後の時間
・授業最大2時間(空き時間があれば、午前で提出されたテキストなどをチェック)
・終礼(帰りのHRをする)
・下校(電車通学が多いので駅まで引率)
・補習(残って学習して帰る子たちの補習を担当)
・17:00 補習組の下校
17時以降
・提出物のチェックの残り
・保護者への電話や保護者からの電話
・学級通信を書く
・業者との打ち合わせ
・校務分掌の仕事
・翌日の授業の準備と予習 等
という感じですかね!こんな風に毎日が過ぎていっています笑
現在と会社員時代を比較
私が勤めていた会社は読者の方も名前を聞けば『知ってる!』ときっと言ってもらえるような企業です。その時も結構ハードな働き方をしていました笑。とはいえ私は営業で土日は基本的には休みをいただくことができていました。当時は7時半くらいには出社して21時くらいまでは毎日働いていました。職場は新宿でしたが、23区に住んでいなかったので片道40分くらいを出勤で使っていましたね。担当エリアは初めは首都圏、途中から首都圏以外の長野から北海道を担当していましたので、週の半分くらいは出張という名の長距離営業に行っていました笑。ここで少し企業戦士時代と今とを比較して書いてみます。ここから書くことはあくまでも主観ですので気を悪くしないでくださいね!
教員は何もしない時間がほぼない
上にも1日の流れを書きましたが、スケジュールに隙間が全然ないです笑。要領が悪いとか以前にとにかく秒刻みで動きます。そこに子どもがケガをしてしまったりイレギュラーが重なるとさらにギュウギュウです。もちろん会社員の方々もタイトなスケジュールで動かれていますよね。でもアポがたまたまなかったり、午前しか商談が入ってなくてたまに内勤の日があったり、商談までにちょっとカフェに行ったりできる時がありますよね?営業時代はそんな時間や、車や飛行機での移動時間などが結構楽しかったのですが、そういったホッと一息的な時間は圧倒的に少ないです!
給食ってめちゃくちゃありがたい
私の営業時代はとにかく移動が多かったので、お昼ご飯は速く食べられることが重要でした。ですから、コンビニで済ませてしまったり、お店に入ってもすぐ出てくるカレーとか牛丼などで済ませることもしばしばありました。ですが、教員に転職して給食を食べていますがこれには感謝しかありません!もちろんお金は払いますが、温かいし、おいしいし、栄養バランスは考えられているし、毎日違うものを食べられることは素晴らしいです!子どもと食べるのも楽しいですし☆会社員の方は食べる機会はないと思いますが、今も昔もカレーは人気です☆
授業の準備はやはり大変
会社員の方で、もしも40分くらいのプレゼンをするなら資料はどれくらいの時間をかけて作られますか?私の勤めていた会社は、商品コンセプトなどは専門の部署がパワポやリーフレットにまとめてくれていて、それにプラスするような資料を営業として作って行っていました。そしてその商品や製品を販売する期間は、基本的にはその資料を持ちまわってプレゼンをしていました。何社も回っているうちにどんどん喋りがうまくなっていきますよね笑。しかし教員は違います。教員は毎日40分の授業(プレゼン)を最大6本しないといけないのです。しかもその授業(プレゼン)は1回すると最速でも1年後までは使えないのです!中学校や高校の先生であれば教科担任制なので、1つの授業を作ればそれを何クラスかで回せると思いますが、小学校は担任がほぼ全教科を教えるので色々な種類の40分のプレゼンを毎日何本も準備してやる感じですね。これを会社員友達に言うと『マジか!』と言われます笑
仕事の喜びの観点が違う
仕事にはそれぞれ色々な喜びがありますが、企業時代は企画が採用されたり、大きな売りが立ったり、商品の配下率上がったりというような売り上げや数値の向上についての喜びが大きかったように思います。教員になると喜びを目に見える数値として表すことが難しいですが、子どもが成長したり、感謝されたりといった”対ひと”の喜びが非常に多い仕事だなと思います!
1人立ちまでの時間が一瞬
企業に勤めると、入社前や直後から様々な研修がありますよね。また名刺交換の方法や電話応対なども練習しました。だ(内線や外線を先輩がとってしまった時の恐怖は今となれば良き思い出と経験です笑)学校の先生は本当に恐ろしいことに、4月1日から働き始めて始業式を迎えたその日から30年以上のベテランたちとも同じ土俵で仕事をしていくことになります。最初が副担任とかならまだしも、担任になるといきなり最前線です!これは大きな違いだなと思います。私の場合は、転職して教員になった一年目は副担任でしたので色々と見て回って勉強する時間もあったので助かりましたが、いきなり前立ちだったと思うとゾッとしますね・・・。電話応対や名刺交換、クレーム対応は企業時代に相当やったので今の職場でもいきてます☆
会議がめちゃくちゃ長い
営業時代も会議はありましたが、あくまでも担当としての報告、部署として方向性などについての短時間のものが主でした。学校ではとにかく会議の議題が多いです・・・。上述した通り、学校の中には多くの部署があって、その各部署の仕事は最終的に学校全体の行事進行などに関わってくるわけです。ですから組織の構成員として学校を回していくには全体の把握をしておく必要があるため、自ずと長時間になってしまう状況なのです。しかもその会議は夕方以降に始まりますし、その間は夕方以降の仕事が滞るので疲れます・・笑
一例として書いてみましたが、もし読者の皆様からご質問をいただけましたらここに追記していきたいと思います。
教師の1日のまとめとして
だいたいどんな1日を過ごしているかはわかっていただけましか?あくまでも私の場合です。これが中学や高校の先生だとまた全然違うと思います。特に中高の先生方は部活がありますからね!小学校はその辺はまだ負担が少ないと思います。
私は、仕事はどの業種でもそれぞれの立ち位置できついことや、やりがいもあると思っています。今回の記事を読んで『自分の方がもっと働いている!』とか『先生にはこんな仕事があるのか!』などと様々な考えがあると思いますが、教師の1日としてはざっくりとこのような感じですね。個人的には企業時代より忙しいとは思っていますが、やりがいはすごく感じていますし転職してよかったと思います。長文になりましたが、お読みいただきありがとうございました☆
ちなみにこのコロナウイルスの時期は、ひたすらオンラインコンテンツを作成して、子どもたちとZOOMをして、来る休校措置解除に向けて年間スケジュールを変更していく”会議”なんかやっています。でもそれに集中できているので、帰宅時間が普段より早くなっていて、初めて”普通の生活”ができているように思っています☆
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