昨年度末よりコロナウイルスの影響で学校が休校となり、そのまま新学年を迎えた今年度。子どもたちとの対面はZOOMでのオンラインからでしたが、休校も解除になり通常に近い形で登校できる状態へと移行しました。そして、授業回復のために8月も授業をしていましたが、つい先日、1学期が無事に終了しました。
私自身、教師になってからよく聞かれるのがこれです!
『学校の先生って夏休みは暇なの?何してんの?休み?』
ということです。そんな疑問にについてあくまでも私の場合ですが書いていきたいと思います。教員志望の方にもちょっとは参考になってもらえればなという気持ちで書いていきます。
筆者のプロフィール
筆者は一般企業出身の全国で1%もいない私立小学校の教員です!
目次
学校の先生の夏休みは暇なのか?という多くの方の疑問
ここから書いていくことはあくまでも私の主観的意見であるということをここでもう一度お断りをいれて書いていきますね!
私は小学校の教員です。その私のこの疑問に対する答えは・・・?
『通常時より圧倒的に楽』
です。楽しているように見えているかもしれませんが、普段が本当にギチギチで働いているのでそれに比べると圧倒的に楽だと思います!
上の記事にも書いていますが、教員の日常としては”暇な時間”というのは本当にありません。また、小学校では行事も多いことや、私の学校の場合は入学試験に関する仕事等もあるので業務範囲も多岐に渡っています。いわゆる定時の範囲は子どもたちがいるので、日中は授業と生活指導で終わります。
夏休み期間中は、普段大半の時間を割いている『子どもたちとの授業や生活指導』がなくなります。ですから、その部分がごっそりなくなるので業務量が大幅になくなるわけなのです☆
私は小学校教員なのでクラブ活動は夏休み期間中はありません。中学校や高校の先生方は授業がなくてもクラブがあって、さらに休みの期間だからと指導も普段より長時間になっているはずです。ここが小学校教員と中高の教員とは大きく違うところだと思います。
では一体、小学校の先生は夏休みをどのようにして過ごしているのかということを書いていきます。
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小学校教員の夏休みの仕事(対外的な仕事)
では、実際にどんな風に過ごしているのかについて書きます。授業がなくてもやっぱりやることはあるんですよね・・・。
研修会への参加
これは当然ともいえますが、教員は休みの間には体を休めることももちろん大切ですが、研鑽をつまなければなりません。自治体や各教育機関等で多くの教員向け研修が行われます。そういったものに参加をして勉強をしていくわけです。
私は私立小学校ですので、毎年全国の私立小学校教員が集まって、各地区での研究成果の発表や研修があります。私も過去数回、全国の場で発表をしていますが、1時間くらい1人でしゃべるので、日々の研究と研究結果のまとめを夏までに終わらせて8月に発表するような形になります。発表者になると準備もかなり大変なので忙しくなりますね!
教員免許更新講習の受講(取得から10年の教員)
私も去年受けてきましたが、世間には不適格な教員もいるようで、定期的に講義とテストを受けて、教員免許を更新していかなければならなくなりました。私が大学で教員免許を取得した時は『永年免許』だったのですが、この制度を受けて有効期限が発生する免許状となっています。
この制度によって、教員免許を大学時代に取得した方で現在教員をされていない方はその免許状が”ただの紙切れ”になっている可能性もありますよ。
10年に一回とはいえ30時間以上の講習を受けつつ、費用も全部込で4万円くらいはするので痛いです・・・。詳しくは下記記事にてまとめています。
教員免許更新講習について
文科省が定める教員免許講習について詳しく解説しています!(筆者別ブログにて)
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小学校教員の夏休みの仕事(自分の学校の仕事)
続いて学校内の仕事について書いていきます。日常の授業がありませんので、授業準備等の時間は平時に比べて大幅に減少します。ではその他にしている仕事を紹介します。
水泳教室の指導
夏休みは子どもたちの泳力増進のために、水泳教室が開かれます。子どもたちも泳力を上げることができますし楽しみにしていることですね!
水泳教室は前期後期とありますので、夏休みの前後1週間ずつは半日ほどが水泳教室が入ってきます。
水泳大会もありますので、そういった引率もあります。
宿泊行事や海外姉妹校への引率
①宿泊行事について
夏休みは、希望者だけですが宿泊行事もあります。これについては担当になった場合ですが、4月ごろから企画が始まって、8月に引率していきます。
自然学校的な要素が強いので安全管理には細心の注意が必要ですが3泊ほど子どもたちと寝食をともにします!
②海外姉妹校引率について
これは公立の小学校ではほぼないと思われますが、私立小学校は海外に姉妹校があることが多いです。こちらは上に述べたような自然学校のようなものではなく、子どもたちの英語力アップや海外滞在の体験を目的にしているので8泊ほど現地に滞在し、子どもたちはホストファミリー宅へホームステイしたり、姉妹校で授業を受けたりして過ごします。
私たち教員は、学校から現地学校までの安全な引率、現地での学校での対応や打ち合わせ、子どもたちのホームシックへの対応等を行います。
運動会のダンスを考える
小学校の時に運動会でダンスをしませんでしたか?あれを考えなければならないのです・・・。個人的にはこれはかなりきついです笑
これまでの人生でダンスをしたことはあってもド素人ですし、人に教えることなんてありませんよね。その状況で作り出していく作業は至難の業です。上に研修に参加することを書きましたが、もちろんこのダンスのための研修もあります。動きのバリエーションを学ぶためですね!
私のダンスの作り方は?
①曲を決める!(速度の編集等も行う)
②曲のカウントを全部洗いだす!8×4がいくつ等
③振りを考える!
⇒研修会やYOUTUBE等を参考にして、カウントに合わせて振り付けを作っていく。
④隊形を考える!
⇒子どもたちが1回は最前列にくるようにし、且つ、保護者の前を通るように隊形を組む。学年の人数分の番号を隊形図に書き込んでいく。うちの学校の場合は、カメラ撮影も入るので俯瞰的視点からの隊形の見え方なんかも意識しないといけない。
文章にしたら短いですが、かなり時間がかかります。曲がまず重要なので、一年中いろんな曲を聞いて『これはダンスで使えそうだな』などという視点で聞いている感じです笑
これを夏休み中に完成して、夏休み明けから練習に入ります。ですから、9月以降は勉強も教えつつ、ダンスも子どもたちに教えていく形になります。めちゃくちゃ痩せます笑
最近は運動会を春に行うところも多いので、その先生方は夏のこの仕事が春休みに回っていると思われます。
劇の台本を書く
どこの学校でも文化祭というものがありますよね。私の学校にももちろんあって、そこではクラスで劇の発表をします。1クラス20分から30分ほどの台本を演じます!
これについても業者が入って撮影が入るので色々な工夫が必要になります。これを夏休みの間には着手しておかないと2学期が始まると通常営業になるので苦しくなります。
私の劇の台本づくりは?
①原作を選ぶ
⇒台本集みたいなものも売っていたりしますが、そもそも30人以上の想定の台本集などほぼありませんので、私は原作から自分で書き起こしていきます。
②登場人物を洗い出す(作り出す)
⇒クラス全員が登場する必要があるので、原作の登場人物に加えてクラスの人数分の配役を作り出す必要があります。
③台本を書いていく
⇒私の場合は原作の筋は変えずに書いていくので、登場人物を増やした分のセリフも考えていきます。劇は基本的に”セリフと動き”を元にして進んでいきますから、原作の地の文を理解したうえでほとんどを会話文にして書き直していきます。文章の行間、背景のシーンなどを想像して書いていきます。台本の量は30~40ページくらいになります。
④演技を考えていく
⇒台本を書いている時点で大方想像しているのですが、その書いた台本を元にして子どもたちに演技指導を行わないといけないので、きっちりと詰めておきたいところです。私の場合は、この時点で各場面ごとにコンテ図を作成して、それぞれが上手、下手のどちらから出てどう演技してどうはけていくのか、大道具の出し入れは誰がどのような動きで行うのかなどを具体的に作っていきます。
⑤効果音を作成していく
⇒台本や演技にあった効果音を想像しながら作成していきます。効果音があると雰囲気がすごく出てきますから大切な作業です。
というような作業を夏休み中にしておいて、2学期に台本の発表と配役決めをして文化祭の練習に入っていきます。劇指導は私たちのプログラミング的思考をかなり養ってくれています笑
夏休み明けのテスト作成
夏休み明けには、復習テストが複数ありますので担任陣で分担してテストを作成します。業者のテストは使わずに手作りですが、これは数時間あれば完成しますので比較的負担は小さい仕事ですかね!
面接や説明会などの入試業務
秋口に入学試験がありますので、間近に出願の時期も迫ってきています。最終的な説明会を実施したり、小学校の入試では子どもたちの試験以外にも保護者面接もありますので、そういったことを夏休みの間に行っています。
2学期の授業準備
授業の準備をここでしっかり行っておくと2学期がとてもスムーズにいきます。というよりも準備していないと、運動会や劇の練習も入ってくるので回りません笑。教材研究をしつつ、授業ノートなどを作成したりしていきます。
結局・・・夏休みは先生は休めないのか??
世間一般のお盆は基本的に休めます。ではそれ以外の日は休めるのかというところですが、休もうと思えば結構休めます。
私たち教員にももちろん有給休暇はあるので、それを8月に使うことで休むことが出来ます。授業のある期間は、おそらく身内が亡くなったりしない限り休みはほぼとれないので、夏休みにまとめてとる先生方が多いように思います。
私も早めに夏休みを取って夫婦でよく旅行に行っています。リフレッシュしたら、これまでに書いてきた上の仕事をやっていく感じですね。
とはいえ、これは中学や高校のように日常的な部活などがないから可能なのであって、知り合いの中高の先生は本当にいつ休んでいるのやらという感じですが・・・。
本日のまとめ
あくまでも私の場合として書かせていただきましたが、夏休みは通常時と比べて日中の仕事がほぼなくなるので業務が軽減されているのは間違いありません。
ですが、どちらかというと”作り出すもの”が多いので、普段とは違う大変さはあります。とはいえ、私はもともと一般企業に勤めていたので8月だからといって仕事が減るわけでもなかったので、先生になってから『8月はやっぱり楽だなぁ』と感じています。
一般企業の時も有休などは全然使うことができませんでしたが、今は夏休みの間くらいですがその権利を行使することができるので、よりよい教育をするためにも休めるときは休んでしっかりリフレッシュしていきたいなと思っているところです。
公立の先生方は私とはまた全然違うかもしれませんが、どなたかの参考になっていれば幸いです。
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