今回は、労働環境について連日ブラックと言われている学校の先生の”お金”について焦点をあてて書いていきたいと思います。
この記事を読んでいていただいている方は、ただ単に興味を持っていただいて読んでいらっしゃる方もいれば、将来教職に就きたいと日夜頑張っている方もいらっしゃることでしょう。
特に後者の場合は、その方の人生にとっても影響してくるので事前に調べてから行動をすることが大切ですね。今日はそのお金時事情についてまとめていきます。
目次
教師(小・中・高)の初任給について
では早速、学校の先生の初任給の平均を見ていきたいと思います。
今回のデータについては平成31年地方公務員給与の実態調査より抽出しています。
参考
大卒初任給(都道府県)
地方公務員給与の実態調査を見るとわかりますが、給与区分では小学校と中学校は『小・中学校教諭』として1まとまりになっており、高校は『高等学校教諭』として区分されています。
小・中学校教諭
初任給の平均額:20万7628円
最安値:19万7300円(東京都)
最高値:21万5200円(岡山県)
高等学校教諭
初任給の平均額:20万7628円
最安値:19万7300円(東京都)
最高値:21万5200円(岡山県)
初任給を調べていて、区分けされていたので差があるのかと思ってデータを見ていましたが同じ金額でした。最安値が東京都だったことには驚きましたが・・・。
大卒初任給(政令指定都市)
小・中学校教諭
初任給の平均額:20万7265円
最安値:19万4400円(大阪市)
最高値:21万5200円(岡山市)
高等学校教諭
初任給の平均額:20万6295円
最安値:19万4400円(大阪市)
最高値:21万5200円(岡山市)
政令指定都市では独自の採用をしていますが、同じ政令指定都市の中でも初任給で2万円ほどの差が発生していることがわかりました。
教師(小・中・高)の平均月収について(全国値)
このデータも地方公務員給与の実態調査から抽出し、年齢の幅は1年目から勤続35年以上までの平均月収額として掲載しています。
平均月収について
小中学校教諭:35万6347円
高等学校教諭:38万1646円
この金額は『大卒者』の平均です。上にも初任給を紹介していますが、公立学校教員の構成員の月収をならすと上記のようになるそうです。
年次別平均月収について(大卒・全国値)
小・中学校教諭
1~2年未満:21万6761円
5~7年未満:26万8608円
10~15年未満:33万1502円
15~20年未満:37万4295円
20~25年未満:40万2225円
30~35年未満:42万8107円
35年以上:39万9636円
高等学校教諭
1~2年未満:21万8451円
5~7年未満:27万0390円
10~15年未満:33万2364円
15~20年未満:37万7556円
20~25年未満:41万0224円
30~35年未満:43万7392円
35年以上:44万1061円
地方公務員のボーナスについて
2019年度の確定したボーナス支給額は以下の通りです。
- 夏のボーナス:2.25カ月分
- 冬のボーナス:2.30カ月分
地方公務員のボーナス額については、毎年大企業から中小企業を含めた民間企業のボーナスを調査した結果から算定されます。
ちなみにボーナス額の計算方法はこのようになっています。
(月額基本給+地域手当+扶養手当)× ○カ月分
支給日については
上期の支給日:6月30日ごろ
下期の支給日:12月10日ごろ
となっています。
残業代について
まずは勤務時間についてです。公立の小中高等学校の勤務時間は8:15~16:45の7時間45分勤務(45分休憩)が基本となっています。
(実際は、上記の時間内で仕事が終わるはずはありません。企業出身の筆者が現場での1日について書いていますので興味のある方は下記記事をご参照。私は公立小学校教員ではないですが、大筋は変わらないかと)
残業代についてですが、地方公務員法に基づいて時間外労働についての残業代は支払われないことになっています。
最近メディアでも中高の部活動問題が取り上げられていますが、中高の教員で部活の顧問を任され、土日も指導に当たる場合は手当が支給されます。
中高の土日の部活手当
- 4時間以上:3600円ほど
- 2~4時間:1800円ほど
もちろん、その際に発生する移動費、食費等は自腹になりますので、中高でクラブをしている友人から聞くと、実際には上のような時間内で終わることは少なく、家族とも過ごすことができず、週末にクラブを終えたら翌日から平日の仕事という日常になっているそうです。
週末の部活については上記のようになっていますが、当然平日も定時内に仕事が終わることは少なく、日々残業が発生しています。
残業した分を残業代として支払われない代わりに、教員には『教職調整額』というものが給与明細に書かれ、支給されています。
この教職調整額とは、残業代を支給しない代わりに毎月給与月額の4%を支給するというものになっており、これがいわゆる定額の残業代みたいな扱いになっています。
月給30万円の場合であれば、教職調整額は1万2000円となります。要するにこの1万2千円で定時に終わるはずのない仕事をひたすらこなしていくという形になります。
ですから、このような現状を揶揄して『定額働かせ放題』などという言葉が生まれたりしているのです。
本日のまとめ
民間企業と比較して給料が多いのか少ないのかはともかく、両方を経験している私からすると、やはり教員の方が1人でしなければいけない業務の範囲が広いなと感じています。
しかも、いわゆる定時の時間は子どもたちがいる時間で授業やその対応でほぼ使い切り、子どもたちが帰ってから授業の準備であったり、行事の企画などの”自分の仕事”をスタートしていくのが現状です。
教員を志望している皆さんでこの仕事を生業としていくつもりなのであれば、仕事としての現実はしっかりと見ておいた方がよいと思います。
若くて、家族がいない場合はいいですが、将来養っていく家族とのライフプランを少しでも思い浮かべておくと良いと思います。
また、地方公務員とはいえ、自治体によって給料に違いがあることにも気づいていただけたことかと思います。公立の教員採用試験は各自治体で開かれますので、倍率、給与、1クラスの平均人数、学力テストの成績、地域性など様々なことを考慮して進路を選択していくことも大切ですね!
私は一般企業から転職して小学校教員をやっていますが、非常にやりがいがある仕事であると思っています。
もしも読者の中で『教師は公務員だし安定しているし』などという、仕事の本質以外のところに志望動機を見出している方がいるとしたら、違う仕事をお勧めします笑
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