コロナウイルスの影響で、今年に受験を控えておられる保護者の皆様は心が休まらない日々が続いていることでしょう。合同説明会や学校説明会の中止や延期、そもそも通常通りの日程で入試は行われるのかなど不安な点も多いことと思います。年長のお子様をお持ちの保護者の皆様は、志望校のホームページや幼児塾等の情報を取りこぼさず見ておいてください。
さて今日は、年長の保護者の方向けというよりも、年中、年少、さらに下のお子様をお持ちで、小学校受験をしようかと漠然と考えている保護者の皆様に向けて書いていきます。私の勤めている学校はお受験をパスしないと入学はできません。また私は、本番当日までに学校説明会、百貨店等でのイベント、受験塾での個別相談などで多くの保護者の皆様と面談をしています。今日はそれらの経験から、お受験を考え始めた方の志望校の選びの方向性についてお話ししたいと思います。
目次
受験を考え始めた方に多く出会うのが百貨店などでの入試イベント
私は年間かなりの数の受験志望の保護者の皆様とお話しをしますが、”受験を何となく意識し始めた方々”に一番多く出会う場所は、百貨店などで開催されるイベント会場です。学校や幼児塾などので説明会とは違い、比較的入りやすいので多くの方が来場されます。受験を意識され始めた保護者の皆様は、年少やそれ以下のお子様をお持ちの場合が多いので、私は自分の学校の紹介よりも”お受験”についての概要を話すようにしています。そこでは、次のような内容の話をよくしています。
私はこんなことをよく話します
- なぜ受験をさせようと思っているのか?
- 子どもの将来像はどう考えているのか?
- 私立小学校の3パターン
- なぜその学校を受けようと思っているのか?
- 住んでいる場所はどのあたりなのか?
面談の時間はそんなに長くは取れませんが、上のようなことをお話することが多いです。お受験をさせることは子どもたちの人生に本当に大きくかかわってくるので、方向性を定めていくことは大切です。上にあげた中でも、志望校選定にかなり影響してくることは2つ目の『子どもの将来像』についての話です。ここが明確になってこないと、受験校を絞ることができません。その理由を解説していきます。
なぜ、子どもの将来像が志望校選定に影響するのか
子どもたちの将来が実際のところどうなっていくのかはわかりません。ですが私立小学校受験での志望校は、その将来に大きく影響する可能性が高いです。特に大きく影響する可能性が高い将来像として挙げられるのが『医師』や『歯科医』などの医療関係を目指される場合です。そのような職業を将来に見据える場合は、必ず大学入学時点で医学部や歯学部に進学する必要があります。ですから、子どもたちの小中高の12年間の先に医学部や歯学部を見据えることのできる選択をする必要があるのです。
また、医療関係に進まなくても『大学は国公立へ行ってほしい』などの希望がおありの方もいらっしゃいます。その場合も、12年後にその将来像を見据えることができる環境であるのかが重要なのです。
小学校受験では、いくら子どもたちの意思を尊重したいといっても、決めるのはやはり保護者の皆様です。お子様たちの意思をくんであげつつも、彼らが良い方向に進んでいけるように最善であろう道を選択してあげる必要があります。
志望校を選定していくにあたり、私立小学校を大きく3パターンにわけることができます。お子様の将来の姿を見据えて、志望校の方向性を絞ってみましょう。3つのパターンは下記の通りです。ここでは子どもたちの将来像にフォーカスして書きますので、私立小学校の楽しさなどの魅力については特に触れていない点、ご了承ください。
私立小学校の3つのタイプ
①中学入試で大半が外部に出ていく小学校
これは小学校が名門と言われているところが多いです。中学進学時には併設中学校よりも高い学力を持つ児童が多く、多くが将来へ向けてのステップアップを目指して進んでいきます。
向いている方
- 中学、高校でいわゆる難関校への進学を希望される方
- 医学部や歯学部を目指させたい方
メリット
- 中学入試を見据えたカリキュラムが組まれていることが多い
- 中学入試を大半が受けるので、みんなで頑張れる
デメリット
- 学習スピードが速い
- 入試前はやはり追い込まれる
- 大半が塾へ行き偏差値至上主義に陥る
中学入試は子どもたちを追い詰めます。自分が頑張っているときには友人も頑張っているのが見えるのでその点はメリットではありますが、やはり入試前の子どもたちはストレス度合いはかなり高くなります。
②小中高12年一貫が一般的な小学校
エスカレーターで進級するので、将来の方向性を考えながら色々な可能性を模索しつつ進んでいくことができます。
向いている方
- 伸び伸びした学校生活を送らせてあげたい方
- 中学入試はできる限り避けてあげたい方
- 将来の勝負は大学入試でよいと考えられる方
メリット
- 内部進学が前提なので、通常のスピードで学習が進む
- 落ち着いた雰囲気になりやすい
- 偏差値至上主義にはなりにくい
デメリット
- 外部受験を志すと、周りとの雰囲気のギャップで苦しむ
- 中学入学後、内部生と外部組との学力差が意外と大きい
- 成績不良だと、内部進学できない所が増えてきている
非常に伸び伸びしていていいと思いますが、中学でステップアップしたい場合や、友人関係等で外部私立へ出たい場合は中学入試を受けなければなりません。その場合は公立校と同じく、1人で頑張っていく必要があります。小学校6年生の彼らにはその状況はかなりきついです。『周りは遊んでるのに何で自分だけ・・・』と苦しみます。保護者の方ともめることもあるかもしれません。
③小中高大16年一貫が一般的な小学校
最終学歴までが小学校入学時点で大方確定しているので、一般的な受験戦争にさらされる機会がかなり少なく、伸び伸びと進んでいくことができる。
向いている方
- 伸び伸びした学校生活を送らせてあげたい方
- 大学までの進路の安定を早く獲得させてあげたい方
- 国公立大学への進学をあまり考えていない方
メリット
- 内部進学が前提なので、通常のスピードで学習が進む
- 落ち着いた雰囲気になりやすい
- 受験戦争にさらされない可能性が高い
- 最終学歴までの道筋をほぼ獲得
デメリット
- 外部受験を志すと、周りとの雰囲気のギャップで苦しむ
- 中学入学後、外部組との学力差が意外と大きい
- 成績不良だと、内部進学できない所が増えてきている
小学校入学時点で有名私大の付属であれば、子どもも保護者の方も心に余裕が出来ますよね。節目の入試も一般のものとは違いますし、負担は軽いと思います。ただこちらも②のパターンと同じで、このレールから外れたくなった場合には相当な努力と意志が必要になります。もしもこのパターンを選択しつつ医師などを目指させたい場合は、医学部を有する大学の付属小学校に進学することをおすすめします。
ここまで大きく3つのパターンを紹介しましたが、どのパターンであれその子が頑張れば将来の夢を叶えることは可能であると思います。ただ、学校の中の空気感は重要です。子どもたちは、よほど強い意志の持ち主でない限りその環境の空気には少なからず影響を受けます。子どもたちの将来性を考えたうえで、お子様方にとってどのような方向性の小学校へ進ませるのがよいのかを一度考えてみて下さい。
本日のまとめ
今回の記事では、子どもたちの将来像から私立小学校の3つのパターンの中での方向性選定について書いてみました。大きな方向性が定まると、次の段階へ進むことができます。学校方針はどうなのか、共学なのか、宗教はどうなのか、家からの距離はどれくらいか、給食はあるのか、進学実績はどうなっているのかなどを調べて、マッチする学校を選定していきます。
現場にいる人間として思うのは、受験校を選ぶ際には『お子様を最優先に考えてほしい』ということです。友人のお子様に合っているから自分の子にも合うとは限りません。人気がある学校だからといって自分の子に合うかもわかりません。仲の良い友人の子が行くからうちの子も一緒にというのは違う気がします。保護者の皆様のお子様にとってどうなのかを一番に考えてください。子どもたちは小学校6年間の間に本当に大きく心も体も成長します。その環境を決定できるのは保護者の皆様なので!
今日の記事で少しでも方向性について考えていただくきっかけになっていればうれしく思います。もしも疑問点などが湧いてきた場合は、説明会などで直接聞いていただければいいと思いますし、実際に志望校へ通っている子がお知り合いの中にいるならば色々聞いてみましょう。もしも私に何か聞きたい方がいらっしゃれば、DMをいただければ返信させていただきます☆何か一つでもお役に立っていれば幸いです。
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