志望校への合格、おめでとうございます!子どもたちの頑張りはもちろん、保護者の皆様もこの数年間、大変な努力をされてきたことでしょう。本当にお疲れ様でした!
さて今回の記事では、合格を勝ち取った皆様が春の小学校入学までにしておくと良いことは何なのか?ということをテーマに書いていきたいと思います。
今回は、その合格した子どもたちを実際に指導することになる私たち現場の教員の目線で書いていきます。私の同僚や有名私大付属の先生方にも聞いてみました!読者の皆様にとって少しでも参考になれば幸いです。
目次
小学校受験!合格したら入学までに何をしておけばいいの?
お受験で合格を勝ち取り、喜びも一入の日々。次は小学校入学に向けて準備を始めるご家庭も多いと思います。幼児塾で引き続いて入学前準備特訓のようなものを受けられたり、小学校の先取り塾などで学習を進めていかれるご家庭もあることでしょう。
もちろんそれらを進めていただければよいとは思うのですが、現場の教員としてはその前にしっかりと身に着けておいてもらいたいなと思うことや経験しておいてほしいことは結構あります。日常生活で意識してほしいことと、学習をする際に意識していただきたいことの2つに分けて解説します。
日常の生活の中でできること
初めは、日常生活の中で身に着けられることについてです。これから書いていくことは『当たり前』のことだと思います。しかし、この当たり前のことこそが実は大切なのです。
会話をいっぱいすること
会話をいっぱいすることで語彙力を増やすことはもちろん、入学してからの同級生とのコミュニケーションも円滑に行うことができます。堅苦しい会話をする必要はありません。その日にあったことなどをただただおしゃべりするだけでも十分です。
受験を経て小学校へ入学する場合は、地域性がないので幼稚園や幼児塾でのお友達がいる場合を除いては、初めて会うお友達になります。
現場で見ていると、口数の少ない子は初動で少し遅れてしまうようにも感じています。まずは会話力を伸ばすために親子でしっかりとおしゃべりをする機会を増やしてあげて下さい!
当たり前のことのように感じられるかもしれませんが、現実問題として保護者の方々が忙しかったりして中々会話の時間がとれなかったり、YOUTUBEやアマゾンプライムなどの動画見放題を幼稚園時代からどっぷり浸ってしまっている子も増えてきているように感じています。そういったコンテンツに触れている時間、子どもたちは笑うなど以外はほぼ言葉を発しないので、会話力形成にはやはり障害になってくると思います。
『静かにしてくれているから助かる』半面、言葉を発する機会も減少している可能性が高いことを知っておいていただきたいなと思います。
また、一人っ子の場合も兄弟姉妹がいる子よりも会話量が少なくなる可能性が高いので、積極的に会話をしてあげてください。
あいさつをすること
挨拶をすること・・・これも当たり前のことです。学校に入学すると、挨拶する機会が日常生活に比べても多くなることでしょう。お受験をする際には、言葉遣いや挨拶なども訓練としてやっている部分も少なからずあるので、ここでいう挨拶はあくまでも”自発的にする”挨拶のことです。
このことで実は重要なことが、保護者の皆様が自発的に且つ、積極的に挨拶をしているかということなのです。それも学校の中ではなく、ご近所での行動も重要です。
これはもちろんすべての方にあてはまるわけではありませんが、挨拶をしても挨拶を返してくれない保護者のお子様は、同じように挨拶をしない傾向があるように思います。親としても、子どもの見本になるような行動をとっていきたいところですよね。
いっぱい遊ぶこと
ここでいう遊びは体を動かして行う遊びです。走る、飛ぶ、上る、下りる、投げる等々、遊びは子どもたちの身体能力を向上させます!
公園に行って遊ぶもよし、アスレチックなどに出かけるもよし!いっぱい子どもたちと体を動かしてあげて下さい!間違っても公園に連れていくだけ連れて行って、親御さんはベンチで本を読んでいるなどといったことはやめてあげましょう。子どもたちはお友達や自分で遊ぶのももちろん楽しいのですが、親御さんと遊ぶこともすごく楽しいと言っています!
子どもとの遊びを楽しむコツは・・・・
遊んであげるではなく本気で子どもと遊ぶです☆
鉛筆の持ち方や姿勢、食事の作法
お受験をして入ってくる子どもたちは、試験前には徹底的に訓練されています。ですから、試験の時点ではきっちりできていることが多いです。
しかし、合格をしてこれまでギチギチにさせられてきた?訓練の効果は次第に薄れていくことも少なくありません。実際、現場で見ていると鉛筆の持ち方やお箸の持ち方がきちんとできていない子たちもいます。
しかも、入試が終わっておよそ半年ほどの間にその形が癖として定着してしまっている場合、矯正していくことは一筋縄にはいきません。なぜならば、学校に入ると幼稚園の時以上に鉛筆やお箸を持つ機会が必然的に増えるからです。
もちろん私たち教員も何とか矯正してあげたいとは思うものの、前に立って授業を進めなくてはなりません。こればかりは、家庭の力がかなり重要かと!
保護者の皆様も、この機会に鉛筆やお箸の持ち方を改めて子どもたちと練習してもいいかもしれませんね☆
学習をする上で意識してほしいこと
”座って落ち着いて”勉強をする習慣
小学校での勉強が始まると、基本的には自分専用の机と椅子が与えられ、そこに座って学習していくことになります。入学直後の様子を見ていると、じっと同じ席に座っていられない子たちが少なからずやはり存在します。
その子たちに共通している一つの要素として挙げられるのが”インターナショナル系幼稚園出身”であることです。もちろん全てではありませんが、幼稚園の中でもきっちりと座らなければならない時間が設けられていた幼稚園と、比較的自由に動き回れていた幼稚園の子では差が見られます。
入学する前に、きちんと座って学習をしたりする習慣はつけておいた方がよいと思います。しかもその座り方も、椅子の上で正座をしたり立膝をしたりせずに座る習慣です。
普段から椅子にきちんと座る習慣がないと、その座り方の是非はともかく、授業中や改まったイベントなどの際にお子様が注意される確率が上がります。
注意をされると子どもたち自身もストレスを感じますし、注意されている様子を他のお子様も見ることになりますよね?するとその子はおうちの人に話すと思います。すると回り回って注意されていた子の保護者の方にも自分の子が注意されている情報がくることもあります。(学校からも連絡があるかもしれません)
そうすると、お母さんやお父さんが焦って、叱ったり、矯正しようと厳しく接したりして直そうとすると思います。悪循環ですよね!
だから、入学前に習慣をつけていただきたいということなのです。
勉強の楽しさを伝える(プロセスも褒める)
志望校に合格すると、早速入学準備講座などで先取り学習をされるご家庭も多数いらっしゃいます。子どもたちに余裕があるのであれば、どんどん勉強をすることはいいことだと思います。
小学校に入ると1日5時間から6時間の授業を受けていくことになります。入学前の段階では、学ぶことが楽しいということを教えてあげるといいかなと思います。
問題が解けた、解けてないという点だけではなく、それまでの部分も褒めてあげると子どもたちは喜びます。
褒めポイント
- 上手に鉛筆が持てていた!
- 文の中のある一文字がとてもきれいだった!
- 上手に線を引くことができていた!
- 大きな声でお話を読めた!
- 自分から座って勉強できた!
- 以前より長く勉強できた!等
大人もそうですが、自分がやっていることを褒められると嬉しいですよね!もちろん子どもたちも嬉しいのです。しかも子どもたちは頑張ったことを褒めるともっと頑張ろうとして結果を出してくれます!
できないからといって叱責をすることでも同じ到達点まではおそらく導いていくことは出来るとは思います。でもその方法であれば将来的に限界が訪れると私は感じています。
子どもたちが頑張っていることやプロセスをいっぱいほめて伸ばしてあげてください。
ひらがなや数字は書き順を意識
小学校に入学してからひらがなを学習する子というのは受験をして入学してくる子たちにはまずいません。ひらがな、カタカナ、漢字、英語、九九などを入学前に勉強している子が大半です。
そしてその学習の際に多くを反復して習得していくことになると思います。その反復を初めてする段階で文字の書き順を間違っていたりすると癖として定着してしまうことになるので、やはりスタートが大事ということになりますね。
英語は触れる機会が多い方がいいかも
小学校での英語の授業も始まり、英語の熱がどんどん高まっていますよね!現役の保護者の方や卒業生の保護者の方にも聞いてみましたが、どの方も口をそろえて言われていたのが、今入学させるとしたら”英語をさせておく”ということでした。
現場で授業をしていても、国語や算数などでは入学してきた子どもたちにそこまで大きな差はありません。ですが、英語についてはかなり差があります!インター系幼稚園の子はもちろん英語に触れる機会も多くやはり慣れている傾向がありますし、ご家庭で積極的に取り組まれている場合はコミュニケーション力も高いです。
私立の小学校の場合は、基本的にはネイティブの先生が英語のみで授業をされる場合も多いので、保護者の方はその差を気にされているようです。(子どもたちはそこまで気にしていない様子で楽しんでいますが)
ちなみに私は現在低学年を担任していますが、英検2級の所持者が4人ほどクラスにいます。彼らは帰国子女ではありませんのですごいですよね!もちろんそんな子ばかりではありませんが、入学後に大きな差があるのは英語である点は頷けると思います。
本日のまとめ
今回の話を読んでいたただいて『いやいや当たり前すぎて・・・』と思われた方は結構いらっしゃるのではないかと思います。
でも本当にこのような当たり前のことが大切なのです。そして、やはりこういった当たり前のことをきっちりできている子、頑張ってくださっているご家庭のお子様は、何事においても伸びしろが大きいように感じています。
先取り学習の重要性を訴える方も多くいらっしゃいますし、子どもたちに余裕があるのであればどんどんさせてあげてください!
でもその前に一歩立ち止まって、根本的な”当たり前のこと”を決しておろそかにせず、落ち着いてお子様方を育ててあげていただきたいなと思うところです。人の子と比較するのではなく、自分の子が今どの段階にいるのかをしっかりと見定めることが大切です。
よく読まれている記事
タップしていただけると励みになります
ブログ村にも参加していますので、訪れていただいた読者の方で下のバナーを押していただけると励みになります☆いつもありがとうございます(^^)
スポンサー・リンク